3/23 PET-CT検査(スクリーニング検査)

がんの検査にはいろいろな物があります。

聞きなれない言葉や知らない検査だらけで戸惑いますね。

そんなことよりも早く治療して欲しい!

という気持ちにもなるかと思いますが、確実に治療していくためには、がんについて、そのがんがどんながんなのか?転移はあるのか?全身をきちんと調べる必要があります。

そうでないと、一つのがんに対して治療したことにより、別の治療が受けられなくなったり、全身に対して適切な治療ができなくなってしまう可能性がでてきてしまいます。

今回のスクリーニング検査もその一つ。

全身のがんを調べる検査です。

スクリーニング検査とは?

スクリーニング検査の言葉の意味は、本来はふるいにかけるという意味で、大勢の人に対して行い、その中から病気の人を見つけ出す時に使われ、皆さんが受ける一般的な健康診断もスクリーニングに当たります。

ですが、がんと診断された場合には、

全身のがんの可能性を洗い出す。

という意味で使われますね。

3/23 スクリーニング検査。

で、その方法を簡単に言うと、ブドウ糖の一種を血管から全身に流し込み、PET-CT検査でブドウ糖の動きを画像化します。

なので、スクリーニング検査ではなく、PET-CT検査と呼ばれることもありますが、PET-CTによるスクリーニング検査という事です。

ブドウ糖はがん細胞に集まりやすいという特性があるので、体の中のどこかにがん細胞が有ると、その場所が赤い塊として、画像化して発見する事ができます。

なので、まずは造影剤と呼ばれるブドウ糖を体内に入れます。

全身に回るまで1時間ほど待ち、CT検査。

また30分ほど休んでもう一度CT検査。

そんな流れだったようです。

検査結果は週明けの月曜日の外来で伝えられるようですが、ここで転移が見つかったり、別物のがんが見つかったりするそうで、無いに越したことはありませんが、あるなら早期発見が可能。

でもやっぱり見つからない事を祈ります。

PET検査とCT検査の合体で、より正確ながん診断。

PET-CT検査は、PET検査とCT検査を一つの機械で同時に行う検査です。

PET検査では代謝状況の異常により、がんの部位の発見ができますが、消化管や尿管の生理的な薬剤の集積との判別が難しいのです。

ですが、CT検査を同じ姿勢のまま受ける事で、その形状などの情報をも同時に得られ、より正確な判別が可能になります。

3/19 2回目の外来受診とホルモン剤治療の開始。

1週間前が、外来の初診でした。

乳がんで受診する科目は何科?がん科というのがあるのかな?

とも思いましたが、この病院での診療科目は、外科の中の乳腺科。

がん専門の病院でもないですし、がん科というのもありません。

ですが乳腺科の待合場所には、医療用のカツラのパンフレットがドッサリ置いてありました。

これが意味するのは、まぁ放射線治療をして髪の毛が抜ける人が多い。

つまり、がん患者さんが多いということですよね。

3/19に2回目の外来受診。

今回の診察では、精密検査の時に採った細胞のさらに詳しい検査結果と、3/13にやった造影剤を入れての胸回りのMRIの結果についてのお話しです。

まず分かったこととして先生が教えてくださったのは、ERが陽性だったということ。

これはエストロゲンの受容体(エストロゲンレセプション?)が陽性なので、ホルモン剤による治療が有効であるそうです。

エストロゲンとは女性ホルモンの一つで、がんのエサになるそうです。

ここに、エストロゲンの偽物を送り込むことで、がんがエサと間違え、がんの進行を防ぐことができるという事です。

稀な例ではありますが、ホルモン剤を服用することでがんが消えて手術の必要が無くなる人もいるようです。

ホルモン剤の副作用。

それからこの治療の副作用について。

まず、効果に関して。

ホルモン剤を5年間飲み続けることによって、手術後の再発しない確率が70%から85%にあがること。

副作用は、体調的にはほとんど影響がありませんが、子宮がんになる確率が少しだけ上がると。

その確率は、1,000人の中で30人。つまり、3%です。

どちらのリスクを取りますか?という話し。

「がんの治療するのにがんになる薬を飲ませるなんて頭がおかしな医者だと思うでしょ?でも僕はまだこの薬で子宮がんになった人を見たことありません。」

と冗談を交えながら教えてくださいました。

もちろん、手術までの期間のがんの進行を抑える事もできますし、早速ホルモン剤の服用を始めることにしました。

子宮がんの発生を予防する方法としては、生理を止めてしまったり、子宮を取ってしまうという方法があるそうです。

嫁さんはなかなか大きな子宮筋腫を抱えていますので、もしかしたら後々はこのような処置が必要になるかもしれません。

時計の針が進められているような、止めてもらってるような、そんな気分です。

初めての抗がん剤治療。

この夜から抗がん剤治療のためのホルモン剤の服用が始まります。

処方箋を持って近所の薬局に。いつもは病状などを聞かれるのですが、この日は聞かれなかったそうです。

薬の名前で察したのでしょうね。

こういう日常のちょっとしたことで、”自分はがん患者なんだ”と思い知らされていきます。

がん患者にも笑顔をという風潮とは裏腹に、がんを告知された人、家族の気持ちは簡単に明るくなれるハズがありません。

薬は錠剤で普通に飲む薬。

その夜、飲んだ方が良い、飲まなきゃいけないホルモン剤ですが、なかなか飲む気分になれていませんでした。

“がん”という現実を受け入れるのは容易なことではありません。

乳がんの種類について。

乳がんはがん細胞が持つ性質によって、5つのサブタイプに分類されます。

性質を決める要素は3つ。

・ホルモン受容体(ER、Pgr)
・HER2
・がん細胞の増殖活性(Ki67値)

これら、それぞれの特徴に合わせた薬を組み合わせて、抗がん剤治療や薬物療法が行われます。

ホルモン受容体が陽性で、HER2が陰性、Ki67値が低い嫁さんには、ホルモン剤による抗がん剤治療が術前薬物療法として選択された訳ですね。

3/12【初診】いよいよがんの治療のための病院へ。(その他の検査と今後の治療スケジュール)

乳がん検診、再検査、精密検査、そして

がんの告知。

そこからわずか1週間後の初診です。

早く取っちゃって!

という気持ちにもなりますが、そうもいきません。様々な検査が必要ですし、すぐに進行する訳でもありません。

がんは落ち着いて、順番に、確実に治療していく必要があります。

診察時間に間に合わず…

この日は僕も一緒に話しを聞くつもりで、受け付け後に合流の予定。

クリニックの計らいで混んでいるところに入れてもらった予約なので、かなり待ち時間が長いと、夫婦で予想していましたが、思いの外早く順番が来て、僕が病院に着くとすでに嫁さんは診察室の中…

受け付けで聞いてみると

「診察室の前でお待ちください。」

で、中に入れてもらえると思ったら、少しして嫁さんが出てきました。

先生の顔は扉の隙間からチラリと見え、優しそうな顔でした。そして嫁さんもニコやかに出てきたので、どうやら良い先生に巡り会えたようです。

乳がんの初診の内容。

初診で特に診察することはありません。乳がんについてや、これまでの検査結果についての説明の後に、色々と検査し、その結果が出てから治療が始まります。

  • 今の状況ならば、急いで手術する必要が無いこと。(2〜3ヶ月後でもおそらく状況は変わらない。)
  • 仕事を落ち着かせてからの手術で良いのではないか?
  • 手術前に始めるホルモン治療はほとんど副作用が無いこと。
  • 手術後の放射線治療などには、多少の副作用があること。

今後の治療の方針やスケジュールを、状況に合わせて、これから焦らずに決めていきましょうといったお話しで、嫁さんもとても安心したようです。

とはいえ、早く手術しちゃった方が良いのでは?というのは悩むところです。

初診の後の検査。

そんな先生の話のあとですが、実際にはやる事がたくさんあります。

血液検査、マンモグラフィー、MRIや造影剤を入れるPET検査…

この日は血液検査とマンモグラフィー。

翌日には別の病院でMRI。

週明けにまた外来で診察を受け、その週末に造影剤を入れてのPET検査です。

この日はそれほど時間がかからなかったので、嫁さんと2人でファミレスでランチを食べながらゆっくりできました。

そういう時間も子供が産まれてからはほとんど無かった時間です。

嫁さんは僕に対しても、周りの方が大変だからと、すごく気を使ってくれます。

お互いに支え合って乗り越えようねと、前向きに考えられる状況に感謝です。

乳がんの進行と適切な治療。

初期の乳がんが見つかったからと言って、

大至急治療や手術を行わなければ!

というものではありません。一般的にしこりの大きさが見つけられる大きさの1センチぐらいになるまで、7〜8年と言われています。

ですので、診断を受ける何年も前からガンがあった事になりますね。

一言でガンと言っても、タイプは様々。ガンの種類に合わせた適切な治療と、すでに見つけられない大きさで起きているかもしれない微小転移を根絶することが大切です。

【乳がんが最も早く転移する】わきの下のリンパの検査結果。

左乳房に見つかった小さなしこり。

精密検査の結果、がんであることが分かりました。

初期の乳がん、がん自体はおそらく一年以上前からあったと思われますが、この日からがん患者です。
(追記:1センチになるまで、一般的に7〜8年)

とても親切な病院で、がんの早期発見のためのクリニック、内視鏡・乳腺クリニックでは、その日から検査が始まりました。

そして今後の病院も紹介してくれるという事で、がんの診断からわずか3日後、3/8に紹介状や検査結果の資料の一部を取りに行きました。
 

わきの下のリンパの検査結果。

この日はこれからかかる病院の紹介状と、そちらの病院に渡すがんの検査結果の資料を受け取りに。

3日前の結果を受け、その場で病院を決め、出来るだけ早くというクリニックの気遣いで、こんなに早く手続きしてもらえるというのもすごく安心です。

週明けには病院に行けるようにと、予約も取れるように病院にも連絡しておいてくれました。

そしてその日、10日後ぐらいと言われていた脇の下のしこりの検査の結果も出ていました。

その検査結果は…

問題無し!

リンパへの転移は見られませんでした。

これでこの病院で調べられる範囲のがんの転移は無しですし、脇の下のリンパに転移していないということは、ほぼ転移は無いと考えて良い状況です。

手術で取る範囲も少なくて済みそうですし、この結果には嫁さんと2人で万歳です。

普段は発泡酒ですが、この日はビールで乾杯です。
 

リンパ節転移とは?

「リンパ節転移があるということは、もう全身にがんが回っている。」

というイメージは間違いです。確かに、リンパ節転移は、原発のがんがリンパ管を通って、次のリンパ節に移動する事を言い、切除が必要になりますが、長期間放置しなければ、リンパから外へ出て遠隔転移することはありません。

ガン細胞がリンパ管に進入

リンパ管で生着(微小転移)

リンパ節で増殖(リンパ節転移)

このような段階を経て、リンパの中での転移です。

また、リンパ節転移は、元々のガンの場所から1番近い場所から順番に進むので、乳がんの場合、まずは1番近い脇の下のリンパの転移を調べます。

これからのこと、がん治療の病院選び。

精密検査の結果、左乳房にがんの組織が見つかり、乳がんの診断を受けました。

家族でこれからの事を話し合って、いろいろと決めていかねばなりません。

家族と言っても子供は2歳。でもお母さんは入院もあります。何かしらの体の不調も出るかもしれません。

嫁さんも、僕も、何より精神面でも乱れるでしょう。

子供の生活にも必ず影響が出ます。ある程度は理解できるように話しておかねばならないですね。
 

乳がん治療の病院選び。

検査をしてくれた病院で、病院の選び方や治療方針についても相談に乗ってくれるようで、

  • 子供が小さいこと。
  • 仕事をしていること。

などを考慮して、早速検査後に

「あなたに合うのはこの病院だと思いますよ。」

と、こちらの状況に合うおすすめの病院を教えてくれました。

自分達でがん治療の病院を選ぶにも、まるで選び方がわかりません。

ここは言われるまま、善は急げでその病院のお世話になることに決めました。

するとわずか4日後には紹介状や検査結果の資料、そして診察の予約が取れる状況まで準備してくださいました。

“これはとても嬉しいことだし、乳がんになってしまったとはいえ、とても良い検査病院に行き、とても良い状況にしてもらえて、すごく運が良いよね。”

嫁さんとともに、この状況には感謝感謝です。
 

乳がん治療の病院の選び方。

乳がんになったらどこの病院に行く?
がんの病院としてすぐに思い浮かぶのは、有明のがん研(国立がん研究センター)。

先進医療の設備も整い、まさにがん治療の為の病院ですが、家からはちょっと遠いんですよね。

それに、もっと重篤ながん患者さんか行くイメージを勝手に持っています。

検査してくれた病院の先生いわく

“病院を選ぶ基準は人それぞれ。”

それに乳がんの治療法というのは症例も多く、かなり確立されているので、嫁さんのような初期のがんの場合、病院による治療法の差はほとんど無いということです。

家から近いとか通いやすいというのは重要なファクターで、何故ならがんの治療は非常に長くかかる治療だからです。

手術をして、がんを取ったらお終い。

では無く、その後も転移の可能性やリスクを極限まで減らすため、放射線治療や抗ガン剤による治療がその後何年も続きます。

なので、遠くても家から1時間以内の病院がおすすめ。

ですが、大学病院などの大きな病院や有名な医師のいる病院、東京ならば順天堂や聖路加病院ですね。そういう病院に行った方が、精神的に安定する方もいます。

それから仕事をしながら治療を進めたい、子供の生活にもなるべく影響を与えたくない。など、患者さんの希望を聞いてくれる病院。

そういう事を踏まえた上で決めなければなりません。

もちろん、セカンドオピニオンを受けてみるという手もありますので、あまり深く考え過ぎない方が良いかもしれませんね。
 

間違った病院の選び方。

多くの方が、病院を選ぶ時に参考にするのが、病院ランキングや病院比較、口コミのようです。

確かに、病院選びに失敗したくなかったり、後悔をしたくない。やっぱりランキングが上位の病院にすれば良かった。

と思いたくないですね。

しかし、どのお医者さんに聞いても、初期のがんの場合、ちゃんとした病院であればどこの病院でもほとんど変わらないと答えます。

ちょっと難しいがんの場合は、その症例に実績のある病院を選んだ方が良いようですが、病院の選び方でランキングばかりを機にするのは間違っているようです。

それよりも、きちんと患者さんと信頼関係を築ける医師を選んだ方が良いですね。