がんの早期発見を目指す専門クリニックで検診を。

僕の嫁さんに見つかった乳がんの大きさは7ミリ。

見つかるか見つからないか?検診で見つけられるギリギリの大きさでの早期発見でした。

がんの早期発見には、定期的ながん検診が重要なんですが、それとともにがん検診を受診する医療機関も重要になりますね。

では、がんを早期発見するためには、どのような医療機関を選べば良いのでしょうか?

自治体のがん検診を利用する?

最も手軽で安い費用で受診できるがん検診は、自治体が行なっているがん検診ですね。

僕の嫁さんも妊娠前から乳がん検診は自治体の健康診断で受けていました。

練馬区の場合、練馬区役所、そして練馬高野台にある健康診断センターです。

健康診断センターでの検診は、確かにとても簡単に受診できますが、実はそれ以外の病院、いわゆる町医者であったり、少し大きな総合病院など、自治体が指定する協力医療機関でも受診する事ができ、そういった場所で受診する方が丁寧に診てくれる場合も多いんですよね。

健康診断センターでは、割りと機械的な検査だと思ったことはありませんか?

普段からよく行く病院がある場合、患者さんの事もよく知っているし、より的確な健康診断を受ける事ができます。

がん検診は専門のクリニックがおすすめ。

そしてがん検診。乳がんを含めたがん検診は、最近ではがんの早期発見に特化した病院がたくさんあるんですよね。

今回、嫁さんのがんを、大きさ7ミリというとても初期の段階で発見してくれたのも、そんな早期発見のための病院でした。

それがこんな所

練馬駅前内視鏡・乳腺クリニック

練馬駅前、一階に交番があるビルの中にあるクリニックです。

最近では、少し気にすると、内視鏡クリニックや乳腺クリニックといった病院の看板もよく見かけるようになりましたよね?

がんの早期発見を検査で見つけるのはなかなか難しいことです。

専門医のカンも大切な早期発見。

ですが、こういった早期発見を目指している病院では、医師の長年の経験による“カン”というものが非常に大きいことを感じました。

「およそ10%の人が再検査になりますよ。

医者なので調べない訳にもいかないので、念のために検査しましょう。」

と言ってましたが、おそらく経験上、怪しいと感じたのだと思います。

脇の下のリンパのしこりを調べた時にはハッキリと

「大丈夫だと思いますよ。」

と言われたようで、胸のしこりの時とは違っていました。

このように、症状とカンにより、ちょっとでも疑わしい場合には再検査や精密検査を行い、普通の病院よりも高い確率でがんを見つけてくれます。

確かに要再検査とか、要精密検査とかって言われるのはイヤですよね。

そしてとても怖いですよね。

ですが、この先、健康に長生きするためには、体の悪い部分をちゃんと治しておきましょう。

もしもがんという病に侵されているのなら尚更、ちゃんとした検査が必要ですね。

自宅で簡単にがんのリスクを調べる血液検査キット。

なかなか検査に行けない人、自営業などで時間が取れない人なら、自宅で血液や尿を採り、郵送で検査してくれる検査キットもあります。

血液検査による腫瘍マーカーで、様々なあなたの体のがんのリスクがわかります。

初期の乳がんで重要な脇の下の”見張りリンパ節”とは?

乳がんの手術では、一昔前までは脇の下のリンパ節、腋窩リンパ節も乳房と同時に切除してしまうのが一般的でした。

何故なら、乳がんが1番最初に転移する場所だからです。

腋窩リンパ節をキレイに取り除くことで、転移の可能性を下げ、手術や治療の成功度を高めることを目的としています。

ですが、現在は見張りリンパ節と呼ばれる1つ〜2つのリンパ節だけを取って検査する方法がとられています。

この検査をセンチネルリンパ生検と呼びます。

センチネルリンパ生検とは?

乳がんが最初に転移する場所、それが脇の下の腋窩リンパ節です。

脇の下には多数のリンパ節があり、以前はこの中のどのリンパ節に最初に転移するのか?がわかりませんでした。

なのでこの腋窩リンパ節もキレイに切除するリンパ節郭清が行われるのが一般的でした。

ですが治療や研究が進み、乳がんが必ず、1番最初に転移するリンパ節が1つに特定されました。

1番最初に転移するリンパ節を見張りリンパ節、もしくはセンチネルリンパ節と呼びます。

この見張りリンパ節を取り出して、がんの転移が無いのかを生検にだして調べることをセンチネルリンパ生検と言います。

センチネルリンパ生検後の治療法。

センチネルリンパ生検するリンパ節の摘出は、乳がんの手術の前に行われる場合と乳がんの手術と同時に行う場合があります。

僕の嫁さんは手術と同時でした。

この場合、その場で迅速診断という検査が行われ、がんの転移が認められた場合にはリンパ節郭清に手術が変更されるのが、今の日本では一般的です。

ですが欧米では、腋窩リンパ節に2〜3個の転移が認められてもリンパ節郭清を行わないのが一般的になっています。

これは、この程度の転移の場合はに、リンパ節郭清を行なった場合とリンパ節郭清を行わなかった場合で、手術後のがんの転移や生存率に差が無いから。

日本では現在は臨床試験の段階なので、この方法を取る場合は臨床試験に参加するという形が取られます。

もちろんそれ以外の治療法である、放射線治療やホルモン剤治療は行われます。

リンパ節郭清のデメリットやリスク。

センチネルリンパ節にがんの転移が見つかり、リンパ節郭清を行なった場合には合併症などのデメリットがあります。

脇の下の部分を切る事で、腕が上がらなくなる。

そしてリンパの流れが変わることにより、腕にしびれの症状が出たり、腕がむくむリンパ浮腫のリスクもありす。

これらのリスクも考えると、出来るだけ不必要な手術はしない方が良いですね。

早期発見のタメに定期的な検診を。

センチネルリンパ生検が保険適用になり、乳がんの患者さんの負担はかなり小さくなりました。

温存手術も増加傾向にあり、早期発見により、手術も1週間ほどの短期の入院で可能になっています。

早期発見のためには定期的ながん検診がとても重要ですね。

乳がんの術後の症状〜脇の下の傷口が腫れる。

乳がんの手術は、がんのある左乳房を切るのと、脇の下のリンパ節を取るために脇の下も切って行われました。

術後の2日目に、脇の下の傷口の中に、外からでもチャプンチャプンと音が聞こえるぐらいに水が溜まりました。

それほど珍しい症状でもなく、段々と引いていくもので、気になるようなら抜きましょう。という程度で、確かに翌日から引いていきました。

ただ、痛みや熱が出る場合には、感染症が心配されるということです。

退院から3日目、脇の下の傷口の腫れと痛み。

そんな脇の下の手術の傷口、退院から3日目に再び水が溜まってきて、今度は痛みもあります。

肩甲骨ぐらいまで響く痛み、走ったり階段を降りる振動でも、腕を反対の手で支えていないとツラい痛み。

夜にはちょっとした事でも顔を歪めるほどに。

お風呂はまだシャワーだけですが、子供を入れてくれていたので大丈夫か声をかけに行くと

「やっぱりちょっと痛い。」

という事で途中で交代しました。

風呂上がりに見てみると、赤くなってませんが脇の下の傷口辺りと、腕の付け根あたりが腫れて膨らんでいます。

そして熱はありませんが、痛みも腕の方まで広がってきたので、翌日に外科の外来を受診することにしました。

外科の外来を受診。

翌朝、症状と受診したい事を電話で病院に伝えると、当日の予約はないので、時間はかかるかもしれないけど窓口で受け付けして待って受診になるという事。

なので嫁さんは子供を保育園に連れて行った後に病院に。

緊急性があるほどでもないし、そのぐらいの対応でしょう。

しかし感染症を起こしていると一泊ぐらいの入院も覚悟しなければなりませんね。

幸いな事に執刀医の先生がこの日の手術を終えて早目に診てくれたところ、感染症は起こしておらず、水を抜いて帰ってきました。

40ccほど注射器で抜いたそうです。

この手術の傷口については、腕をあまり動かさないと固まって腕が上がらなくなるリスクがあり、動かした方が良いということなんですが、水が溜まりやすい状況なのであまり動かさない方が良さそうです。

家族は第2の患者?乳がん手術の入院5日目、それから6日目の退院のお迎え。

入院中の子供やおばあちゃんの奮闘ぶりを書いていますが、ところで当の本人である入院中の母親の入院生活は?

出産してから子供とこんなにも離れているのも初めてのこと。

のんびりできているかな?

と思っていましたが、そうもいかないようです。

部屋は4人部屋の相部屋で、がんの患者さんばかりです。

痛みで夜中に1時間ごとに看護師さんを呼ぶ人が居たり、朝は5時から検温!

不定期にある検査などなど、入院生活というのは落ち着かないようですね。

入院すると、病院っていうのは朝も夜もあまり関係無い24時間営業みたいな場所みたいです。

入院5日目。

手術後の状態から退院は6日目の明日できそうです。

退院の迎えに行くのに子供を連れて行くのか?自宅に帰るかお世話になった嫁さんの実家に顔を見せに行くのか?

僕が間に入って決めます。

結局、レンタカーを借りて子供とおばあちゃんと一緒に迎えに行き、実家に帰って一泊。

という事に。

子供はこの日も、ごはんもちゃんと食べるしお風呂にも入るし、歯磨きも嫌がらずに良い子に過ごし、明日、母親に会えることを楽しみにしています。

楽しみ過ぎるのか、気持ちも高ぶる様子で布団に入ってもゴソゴソと、なかなか寝れない夜でした。

入院6日目、退院の日。

そんな訳でお昼頃に退院する嫁さんを迎えに行くために朝から準備です。

2歳の子供のお出かけというのは、大抵は予定通りに行かずにバタバタしたり、思うようにならずにこっちもイライラしたりするのですが、この日はちゃんと言う事を聞いて着替えたり、出かける準備をしたり。

待っててと言えばちゃんと待ち、予定通りに出発!

おばあちゃんにも付き合ってもらって、お昼頃に病院に到着しました。

母親との3日ぶりの再会に、またまた少し照れくさそうにしながら、なんとも言えない笑顔で母親にずっとくっついていました。

たかが3日ですが、3日会えないのは子供にとって大きなことだったと思います。

それも病気で入院というと不安も大きかったでしょう。

帰りの車では爆睡!いろいろな事を考えたであろう母親の入院も無事に終了です。

家族の支えと入院生活。

たった6日間の入院、がんとは言え、初期でステージ1、温存手術ですし、他の苦しんでいる方々には申し訳ないぐらい良い状況の乳がんの入院と手術でしたが、2歳の子供はとても頑張り、全面的に協力してくれた実家の家族に感謝です。

正直僕も、自宅から病院、実家、仕事とクタクタになりましたが、そんな家族にとても助けられました。

つくづく子育ては協力してくれる人が居ないと成り立たないことを実感。

そして母親の存在の大きさ。

がんという病気を告知された時には最悪の状況も考えました。

無事に手術を終えて帰ってきてくれて、まだまだ治療は続きますが、ありきたりですがとてもありがたい、ごく普通の日常が帰ってきました。

母親が入院中で家に居ない1週間〜その2

2歳の子供にとって、母親が1週間も家に居ないということは大変ツラい状況でしょう。

家族は第2の患者とも言われます。

ですが子供なりに現実に起きている事を理解して、子供なりに頑張って対応してくれていました。

そんな子供の様子とパパである僕、そしておばあちゃん達の奮闘記の2回目です。

入院2日目、手術の説明の帰り道。

手術の前日の執刀医による手術の説明には、子供も連れて行きました。

おばあちゃんにも来てもらいました。

行きすがら、

・お母さんの病気は死んじゃう人も居る病気だから、長く入院してちゃんと治さないとダメな事を説明したこと。

・執刀医の説明の様子を、僕達の後ろに座って見ていたこと。

・病院のベッドと病院にいる母親。

これらの状況から、たくさんの事を自分なりに考えて自分なりに理解をしたようで、母親と短い再会から離れる時には

「お母さん頑張ってね!バイバーイ!」

と、元気に別れました。

が、

ほんの5分ほどで

「お母さんに会いたくなっちゃった…」

とベソをかきはじめました。

普段は5分で寂しくなったりする事はないんですが、しばらく家に帰ってこない事がわかっているからでしょう。

それから電車の中では何故か

「公園に行きたい!」

と、ワンワンと泣きました。何か別の欲求を表に出すことで気を紛らわせたいのがわかりますが、

「もう夜だから行けないよ。」

と抱っこでなだめていると、よほど疲れたのかいつもより1時間以上早く寝て、そのまま朝までグッスリでした。

手術当日の入院3日目。

入院3日目は乳がんの手術の日です。付き添いの僕は朝は8時までに病院に行くので、子供が寝てるうちに出発。

起きた時に父親も居ないことで一悶着あるかと思ってましたが、

「お父さんは?」

と、一言だけで、お母さんの病院に行ってることに納得したようです。

手術も早く終わり、夕方には病院を出て帰ると、いつもはなかなか入らないで手こずるお風呂も済ませ、ごはんを食べているところで、ニコニコと出迎えてくれました。

僕は手術の無事を嫁さんの家族に改めて報告。

これも僕の大切な使命です。特に嫁さんのお父さんは、自らもがんを患った経験もあるので安心したようでした。

夜も絵本を7冊も読まされましたが、普段とあまり変わらない時間に就寝しました。

父も居ない入院4日目。

この日は僕は仕事なので、またおばあちゃんに1日預けます。

夜も居ません。

お見舞いに行く予定もありません。

いよいよ子供にとって本格的にツラい日になってくるでしょう。少し早起きしてひと遊びしてから仕事に行く時には、見送りもせずにプイっと奥の部屋に引っ込んでいきました…

ですがおばあちゃんの話しによると、その後は酷く我がままを言う訳でもなく、かと言ってすごく我慢している様子でもなく、普段自宅で過ごすよりも良い子に、子供らしくしていたそうです。

もう70を過ぎているおばあちゃんですが、公園や買い物にも連れていったり、体もしんどいでしょうがしっかりと面倒を見てくれ、子供もそれに応えるようにしていたみたいですね。