“癌は遺伝する”とか、“がん家系”という言葉も一般的にもよく耳にすると思いますが、
本当に癌は遺伝するのでしょうか?
私達は確かに、家族に癌の人が居ると、がんになりやすい体質だから注意した方が良いという認識を持っていますよね?
しかし、その多くは遺伝子的に考えると間違いで、先天的に遺伝する癌というのは全体の5%にも満たないようです。
遺伝する癌とは?
ハリウッドで活躍する女優のアンジェリーナ・ジョリーさんは、自らのがんリスクを考えて、がんの予防のタメに乳房を切除しました。
これは遺伝子検査によって、BRCA1という特定の遺伝子に変異が認められ、乳がんと卵巣がんの発症リスクが高い事がわかったのが理由なんですね。
(他にもAPCという遺伝子に変異があれば、大腸がんのリスクが高いなど)
このように特定の遺伝子に変異が認められた場合のみが、一般的に遺伝する癌と言われています。
これは遺伝子検査によって明らかになりますね。
病院に行きたくない人や、時間が取れない人にとって便利な、郵送でできる遺伝子検査キットも発売されています。
遺伝性の癌の特徴。
遺伝子検査によってわかる遺伝性の癌には、いくつかの共通する特徴もあります。
もちろん家族に癌になった人がいる場合で、その癌がどんな癌だったのか?
ということ。
まずは若いのに癌になった人がいる。それから多発がんや、重複がんで何度もがんになった人がいる。そして特定のがんが家族に何人もいる。
こういった場合には、その癌は遺伝性の癌かもしれません。
遺伝性の癌は半数が遺伝する!
全体的な割合は非常に少ない遺伝する癌ですが、もしもあなたの家族の癌が遺伝性だった場合に、癌が遺伝する可能性はおよそ50%。
親が遺伝性の癌の場合、半数の子供が癌になりやすい体質を受け継いでしまうという事ですね。
だからと言って必ずしも癌を発症する訳ではありません。
癌になる要因は、他にも生活習慣による部分が大きいですね。
がん家系とか、癌が遺伝すると私達に印象付けている原因の多くは、この生活習慣が同じことによるところが多いのです。
がんになりやすい体質?
嫁さんの父親は口底癌というがんを患いました。
遺伝子検査はやってませんが、部位的に、嫁さんの乳がんは遺伝性の癌ではないと思います。
がんが遺伝すると言われる理由の多くは生活習慣によると言われていますが、周りの多くのがんの人を見ていても、遺伝子的な変異がなくても、体質としてがんになりやすい体質を受け継いでいるような気がします。
現代の日本人ががんの予防をするために大切なのは、遺伝性にしろそうでないにしろ、タバコやお酒を控えたり、適度な運動やしっかりとした睡眠の確保など、生活習慣を改善すること。
遺伝性の癌が心配であれば遺伝子検査もした方が良いでしょう。
ご自身のがんリスクを知り、リスクをコントロールして、がんを予防しましょう。