初期の乳がんで重要な脇の下の”見張りリンパ節”とは?

乳がんの手術では、一昔前までは脇の下のリンパ節、腋窩リンパ節も乳房と同時に切除してしまうのが一般的でした。

何故なら、乳がんが1番最初に転移する場所だからです。

腋窩リンパ節をキレイに取り除くことで、転移の可能性を下げ、手術や治療の成功度を高めることを目的としています。

ですが、現在は見張りリンパ節と呼ばれる1つ〜2つのリンパ節だけを取って検査する方法がとられています。

この検査をセンチネルリンパ生検と呼びます。

センチネルリンパ生検とは?

乳がんが最初に転移する場所、それが脇の下の腋窩リンパ節です。

脇の下には多数のリンパ節があり、以前はこの中のどのリンパ節に最初に転移するのか?がわかりませんでした。

なのでこの腋窩リンパ節もキレイに切除するリンパ節郭清が行われるのが一般的でした。

ですが治療や研究が進み、乳がんが必ず、1番最初に転移するリンパ節が1つに特定されました。

1番最初に転移するリンパ節を見張りリンパ節、もしくはセンチネルリンパ節と呼びます。

この見張りリンパ節を取り出して、がんの転移が無いのかを生検にだして調べることをセンチネルリンパ生検と言います。

センチネルリンパ生検後の治療法。

センチネルリンパ生検するリンパ節の摘出は、乳がんの手術の前に行われる場合と乳がんの手術と同時に行う場合があります。

僕の嫁さんは手術と同時でした。

この場合、その場で迅速診断という検査が行われ、がんの転移が認められた場合にはリンパ節郭清に手術が変更されるのが、今の日本では一般的です。

ですが欧米では、腋窩リンパ節に2〜3個の転移が認められてもリンパ節郭清を行わないのが一般的になっています。

これは、この程度の転移の場合はに、リンパ節郭清を行なった場合とリンパ節郭清を行わなかった場合で、手術後のがんの転移や生存率に差が無いから。

日本では現在は臨床試験の段階なので、この方法を取る場合は臨床試験に参加するという形が取られます。

もちろんそれ以外の治療法である、放射線治療やホルモン剤治療は行われます。

リンパ節郭清のデメリットやリスク。

センチネルリンパ節にがんの転移が見つかり、リンパ節郭清を行なった場合には合併症などのデメリットがあります。

脇の下の部分を切る事で、腕が上がらなくなる。

そしてリンパの流れが変わることにより、腕にしびれの症状が出たり、腕がむくむリンパ浮腫のリスクもありす。

これらのリスクも考えると、出来るだけ不必要な手術はしない方が良いですね。

早期発見のタメに定期的な検診を。

センチネルリンパ生検が保険適用になり、乳がんの患者さんの負担はかなり小さくなりました。

温存手術も増加傾向にあり、早期発見により、手術も1週間ほどの短期の入院で可能になっています。

早期発見のためには定期的ながん検診がとても重要ですね。

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