1週間前が、外来の初診でした。
乳がんで受診する科目は何科?がん科というのがあるのかな?
とも思いましたが、この病院での診療科目は、外科の中の乳腺科。
がん専門の病院でもないですし、がん科というのもありません。
ですが乳腺科の待合場所には、医療用のカツラのパンフレットがドッサリ置いてありました。
これが意味するのは、まぁ放射線治療をして髪の毛が抜ける人が多い。
つまり、がん患者さんが多いということですよね。
3/19に2回目の外来受診。
今回の診察では、精密検査の時に採った細胞のさらに詳しい検査結果と、3/13にやった造影剤を入れての胸回りのMRIの結果についてのお話しです。
まず分かったこととして先生が教えてくださったのは、ERが陽性だったということ。
これはエストロゲンの受容体(エストロゲンレセプション?)が陽性なので、ホルモン剤による治療が有効であるそうです。
エストロゲンとは女性ホルモンの一つで、がんのエサになるそうです。
ここに、エストロゲンの偽物を送り込むことで、がんがエサと間違え、がんの進行を防ぐことができるという事です。
稀な例ではありますが、ホルモン剤を服用することでがんが消えて手術の必要が無くなる人もいるようです。
ホルモン剤の副作用。
それからこの治療の副作用について。
まず、効果に関して。
ホルモン剤を5年間飲み続けることによって、手術後の再発しない確率が70%から85%にあがること。
副作用は、体調的にはほとんど影響がありませんが、子宮がんになる確率が少しだけ上がると。
その確率は、1,000人の中で30人。つまり、3%です。
どちらのリスクを取りますか?という話し。
「がんの治療するのにがんになる薬を飲ませるなんて頭がおかしな医者だと思うでしょ?でも僕はまだこの薬で子宮がんになった人を見たことありません。」
と冗談を交えながら教えてくださいました。
もちろん、手術までの期間のがんの進行を抑える事もできますし、早速ホルモン剤の服用を始めることにしました。
子宮がんの発生を予防する方法としては、生理を止めてしまったり、子宮を取ってしまうという方法があるそうです。
嫁さんはなかなか大きな子宮筋腫を抱えていますので、もしかしたら後々はこのような処置が必要になるかもしれません。
時計の針が進められているような、止めてもらってるような、そんな気分です。
初めての抗がん剤治療。
この夜から抗がん剤治療のためのホルモン剤の服用が始まります。
処方箋を持って近所の薬局に。いつもは病状などを聞かれるのですが、この日は聞かれなかったそうです。
薬の名前で察したのでしょうね。
こういう日常のちょっとしたことで、”自分はがん患者なんだ”と思い知らされていきます。
がん患者にも笑顔をという風潮とは裏腹に、がんを告知された人、家族の気持ちは簡単に明るくなれるハズがありません。
薬は錠剤で普通に飲む薬。
その夜、飲んだ方が良い、飲まなきゃいけないホルモン剤ですが、なかなか飲む気分になれていませんでした。
“がん”という現実を受け入れるのは容易なことではありません。
乳がんの種類について。
性質を決める要素は3つ。
・ホルモン受容体(ER、Pgr)
・HER2
・がん細胞の増殖活性(Ki67値)
これら、それぞれの特徴に合わせた薬を組み合わせて、抗がん剤治療や薬物療法が行われます。
ホルモン受容体が陽性で、HER2が陰性、Ki67値が低い嫁さんには、ホルモン剤による抗がん剤治療が術前薬物療法として選択された訳ですね。